【情報】セイロン史概説① 先史時代と仏教の伝来
原始時代
セイロン島に人類が到達したのは、種々の考古学的証拠から約12.5万年前と考えられている。石器時代の狩猟採集民族であるバランゴダ人は渡海の後も長く繁栄し、中央丘陵地帯のホートン平原は彼らが狩猟の為に森林を燃やした痕跡とされる。15,000年前にはオーツ麦や大麦が存在したことから、この頃にはすでに農耕文化が伝来していたようである。
セイロン島原産のシナモンは紀元前1500年のエジプトで発見されており、既に両地域の直接的或いは間接的な交易が行われていたことが窺える。鉄器が伝わったのはそれから数百年か後のことで、シーギリヤやアヌラーダプラからは紀元前1000〜800年の鉄器が発掘されている。これに関わらずあらゆる文化は隣接する南インドと同期していたと考えられ、それらによる最初期の集落はアヌラーダプラにあった。一部地域に現在も住まうヴェッダ人(ワンニヤレット)達は、この頃のバランゴダ人の直系子孫と考えられる。
仏教伝来前後
『マハーワンサ』『ディーパワンサ』の伝承はともかく、考古学などの研究によれば、仏教の流入はインド・アーリア人の侵入による。彼らこそがシンハラ文明の祖であり、現在も残る大規模な水利遺構の産みの親である。仏教伝来に関する詳説は、既出の記事に委ねる。
0コメント