【文化】スリ・カンディの食文化
「諸国民の運命は、それらの諸国民がどのようにして食べているのかというその在り方次第である」
ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン『美味礼讃』より引用
今回ご紹介するのは、我が国の食文化です。
食文化圏としては南インドに程近い我が国は、当然の結論として同地域からの影響を大きく受けています。更に仏教徒としてのシンハラ料理とヒンドゥー教徒としてのタミル料理が融合した結果、実に類い稀なる食文化が成立しました。
スリカンディ料理の主な特徴として、以下が挙げられます。
・ココナッツミルクの積極的な使用。スイーツやカレーのみならず、炊飯にも用いられる。
・島国としての立地から、海産物の利用が盛ん。
・日本の鰹節に類似するモルディブフィッシュ(マグロの身を乾燥させたもの)を、凡ゆる料理に用いる。
ライス・アンド・カレー
我が国の主食であるライスと、カレーの組み合わせです。我が国において最も定番な献立であり、各家庭によって味が異なります。ライスを中心に2〜3種類或いはそれ以上が用意され、手で混ぜ合わせながら頂きます。
カレーとは言いますが、我が国では煮込み料理を総称してカレーと呼んでいます。そのため、他国のカレーと異なり小麦粉を用いません。他方で香辛料は大量に使われ、特に家庭では一家に一台常備されている石臼で挽いて使うことも多いです。またココナッツミルクを入れることも多く、マイルドな味付けになっています。画像は、サバをココナッツミルクと共に煮込んだカレーです。
キリバット
ライスをココナッツミルクで炊いた料理で、お祝い事やシンハラ正月の際に供されます。画像では綺麗に菱形に整えてありますが、実はこれが一般的な盛り付けです。
コキス
米粉、ココナッツミルク、溶き卵からなる生地をヤシ油で揚げたスイーツです。特別な金型で揚げられたこのお菓子は伝統的なスリカンディ料理なのですが、その語源はオランダ語「koekje」(クッキーやビスケットの意)に由来すると信じられています。
先述のキリバットと共にシンハラ正月の際に供されますが、現在では時間や知識の不足などから主に年配の女性が作っています。
紅茶(セイロンティー)
我が国の食文化を語る上で、紅茶は欠かせない存在とも言えます。国内で生産が始まったのはイギリス植民地時代ですが、現在では世界的に高い評価を得る「セイロンティー」として万民に愛されています。
世界の紅茶生産量の1割を占める我が国では、キリテーと呼ばれるミルクティーが好まれます。
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