【文化】旧都キャンディ

キャンディ州州都のキャンディは、1984年まで我が国の首都でありました。現在でも都市の規模は国内指折りで、王国の中心的な都市であり続けています。キャンディの語源はシンハラ語で山を意味する「カンダ」と言われており、雅称として「大都市(マハー・ヌワラ)」が挙げられます。
アヌラーダプラ、ポロンナルワ等の例に漏れず、ここキャンディも仏教寺院が集中しており、特に有名なのはダラダー・マーリガーワ寺(仏歯寺)でしょう。仏陀の犬歯=仏歯が納められているこの寺は、マーリガーワ(宮殿)の名が示唆するように祭祀場の性格が強いものです。

セイロン島に仏歯が齎されたのは、年代記『チューラワンサ』によればアヌラーダプラ王国のスリー・メーガワンナ王の治世(301〜328年)と言われています。東インドのカリンガ国から持ち込まれた仏歯は最初アヌラーダプラの法輪堂(ダンマチャッカ)に納められ、王権の証として遷都と共に移動してきました。その権威は現在でも有効ですが、警備上の都合や聖地としての信仰から1984年のコロンボ遷都では仏歯寺から移されず、キャンディに残されました。
御代代わりの際には象に乗った仏歯を先頭に王国守護の四神(ナータ、ヴィシュヌ、カタラガマ、パッティニ)の神体が列を組み、新国王と共にキャンディ市街を巡回する決まりとなっています。同様の催事は新暦7〜8月のキャンディ・エサラ・ペラヘラ祭でも執り行われ、祭りの重要な地位である在家総代(ディヤワダナ・ニラメ)は勅使が務めます。
キャンディの歴史を示すものに、旧王宮博物館があります。1984年のコロンボ遷都まではれっきとした王宮でありましたが、国王陛下の思し召によって改装が行われ、博物館として下賜されたものです。成立以来の王国史にまつわる史料群の展示は圧巻で、国内最高の博物館であり続けています。
観光地としても高い価値のあるキャンディは、旧都だけあって交通の便に優れています。最寄りの空港こそ未だ計画中ではあるものの、首都コロンボから高速道路や鉄道が伸びています。またキャンディからも方々に高速道路を伸ばしており、王国全体を周遊する拠点としても最適です。

【日本語版】スリ・カンディ王国政府広報紙 サティ

スリ・カンディ王国政府広報紙「サティ」は、日本語版の配信を始めました。【情報】【文化】【報道】の3種類の記事を掲載し、皆様にお届け致します。

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