【情報】国王と王室

今上ラージャシンハ5世陛下を先祖まで辿ると、キャンディ王国第11代国王のスリ・ヴィジャヤ・ラージャシンハすなわちラージャシンハ3世王に至ります。この期間を歴史学的にはナヤック朝と呼び、キャンディ王国初代〜第5代、第6代〜第10代とは区別されています。前者はシリ・サンガ・ボ朝、後者はディナジャラ朝とそれぞれ呼ばれます。

血統的な話はさておき、現在の王室は建国以来500年以上我が国を統治しています。イギリス植民地時代を経て独立した後はその王権の大部分を臣民に委ね、イギリス由来の「君臨すれど統治せず」を原則としています。一方で国王陛下は国会の輔弼を前提として立法権を行使され、また国軍の最高指揮官としての地位を有してもいます。憲法では「尊び拝むべき地位」にして「何人も責め伏す能わず」と規定され、その地位の至尊性と無答責が保障されています。また「仏教徒で且つ凡ゆる宗教の最高の保護者」ともあり、宗教面でも頂点に立っておられます。

刑法においては国王陛下のみならず王室関係者全体に対して「威徳の汚辱罪」が定められており、一般的には不敬罪と呼ばれています。対象は「国王、王妃、王太子、摂政その他王族を中傷し、或いは侮辱し、或いは敵意を持つ者」であり、その罰則は「3年以上10年以下の禁錮刑」と定められています。明言されてはいませんが「公然と敬意を示さないこと」も多く摘発の対象となり、判例としては国歌斉唱を拒絶した政治活動家に禁錮5年の判決が下りました。

【日本語版】スリ・カンディ王国政府広報紙 サティ

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